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【 ご 注 意 】

*当サイト的にはぬるいにもほどがあるけど、R15ぐらいで。神羅時代ザックラ。

*セフィロスはストーカー変態その1鬼畜クラウドとさきイカが好き

*ザックスは妄想野郎変態その2AVクラウドとチーカマが好き

*こんな夢を昨夜見たので、書き散らしてみました。ごめんなさい。ほんとう、なんだろうこれ…

 

 

大地がまわるのはなぜ、

波がおしてひくのはなぜ、

月が欠けて満ちるのはなぜ、

 

 ―ポセイドンは答える。

「なぜならここは、」

 

 

(あー…、涼しいなぁ。)

優しい風が前髪を揺らす。開け放されたコテージの窓から入ってくる海風。

その涼やかな心地に、ザックスは思わず目を細める。

 

まだ、残暑の残る9月――

麻のクッションに埋めていた額はじっとりと汗をかいていたけれど、

ちょうど窓から流れるような風が入ってきて、涼をとれるから悪くない。

風とともに、潮と何か甘い香りが漂い、ここはどこだっただろうかと思考を巡らす。

(ゴンガガ…なわけ、ないな。そうだ、ここは…)

 

故郷を思わせる南国の花や果実の匂い。けれど、ここはゴンガガではない。

ザックスは今、世間一般に比べていささか遅い『バカンス』とやらを満喫中なのだから。

――ここ有名リゾート地、コスタデルソルにて。

 

昼間の太陽は、真夏のそれかと思わせる日差しだったけれど、

こうして夜になればやはり季節の移ろいを感じる。

年間を通じて10度程度の温度差しかない常夏の島ではあるが、

それでも多少の四季の変化というものはあるのだ。

(夏も、終わりか…)

それが寂しいと感じる自分が、滑稽で可笑しい。

こんな風にセンチメンタルな思考に陥るのは、まったく『らしく』ないというのに。

 

眠れないほどの熱帯夜が恋しい――なんて。

そんなことを言ったら、暑さに弱い『彼』に冗談じゃないと呆れられてしまうだろうか。

ザックスの好きな季節は、夏。

故郷が南国だったから懐かしさがやはりあるし、寒い気候より暑い気候の方が当然適正もある。

神羅とて他の一般企業と同じように、一部警備兵を除いて夏期休暇(盆休み)をとれるし、

街中もお祭りやらイベントやらで活気づいて賑やかなシーズンだ。

だから、夏がやっぱり一番楽しい。

(…この夏は、特別だけど。だって――)

 

 

 

だって、この夏は。一世一代の恋が実った夏、だから。

 

 

 

ごろりとソファの上で寝返りをうつと、目だけで愛しい人を探す。

(あいつ…どこ行った?テラス?いや、シャワーかな…)

仄かな橙色の夜間照明だけの部屋、けれど廊下の方から光が漏れている。

微かに水が流れる音が聞こえるから、きっとシャワーを浴びているのだろう。

 

少し心が揺れた。彼の後を追って、バスルームに入ってもいいだろうか、と。

(いや、まだ駄目だ。さすがに早いだろ。)

あの子の機嫌を損ねるのは必須、下手をすれば泣かれてしまうかもしれない。

(焦るな、焦るな、焦るな…)

夏が終わったとしても、二人の季節が終わるわけではない。

ゆっくり、二人の関係を深めていけばいいのだ。まだ、二人の恋は始まったばかりなのだから。

そしてこれから永遠に続いていくのだから。

 

 

 

この恋が実ったのは、およそ一か月前のこと。

それは、他でもないザックスの想い人である――クラウド、当人の誕生日の日だった。

ザックスが練りに練った、彼のためのお祝い計画。

もちろん当日は急な仕事が入らないよう、彼の上司を脅して…いやいやお願いしておいたし、

彼を飲みに誘おうとしたりプレゼントを贈ろうとする輩どもはぶん殴って…いやいやそれとなく牽制しておいた。

そして、クラウドが一度訪れてみたいと言っていたゴールドソーサーに連れだし、一日中思い切り遊んだ。

閉園間近、二人名残惜しむように乗った最後の観覧車、

そこで思い切って気持ちを伝えたのだ。『ずっと好きだった』と。

 

クラウドは、YESと言わない。NOとも言わない。

ただ、窓の外で打ち上がる花火に照らされ、彼の大きな瞳に涙がたまっていることに気付いたとき、

どうしようもなく愛おしさに駆られて、小さな体を抱きしめていた。

 

この腕の中で。

「…ザックスがからかっていないなら、もう死んでもいい。」

そう言って、クラウドはいつまでも泣いていた。

それは、クラウドらしからぬ情熱的で、けれどその控えめさは彼らしいともいえる――

クラウドなりの『愛の告白』だった。

 

 

 

 

それからの一か月は、瞬きをするように一瞬だった。

ミッドガルの花火大会で慣れない浴衣を色違いの揃いで着て、

足元のおぼつかない彼と人ごみに紛れて手を繋いだ。

暑い暑いと部屋から出ようとしないクラウドを強引に誘ったプールでは、

ウォータースライダーを二人のりして声が枯れるぐらいに叫んで笑った。

イルカやラッコを見たいとテレビの前で呟いたクラウドを、これまた少し強引に連れ出して

水族館にも出かけた。帰り道には、ジェラートを食べさせあった。

クラウドと同じく8月のザックスの誕生日には、二人きりの公園で花火をした。

『こんなお祝いしかできなくてごめん』といじらしく謝るクラウドに、

『こんな幸せな誕生日は生まれて初めて』と素直に返せば、彼は嘘つきと言って笑った。

…そして、二人、初めてのキスをした。

 

 

なんて、刹那の夏。

 

 

クラウドといるだけで、その一分一秒は一瞬で通り過ぎてしまう。

指の間から零れ落ちる砂のように、さらさらと優しい音をたてていく彼との時間は、

留めておきたくとも、そうすることは絶対に叶わない。

時間は今も、流れていく――

夏が終わらなければいいのに、と。そんならしくもないことばかり考えて、

それならばせめてこの夏最後の思い出作りにと、思い切ってクラウドを旅行に誘ったのだ。

 

行先は、新婚よろしく『コスタデルソル』のリゾートバカンス。

 

二人きりのコテージ、夕日の沈む海をテラスで眺めながらシャンパンで乾杯。

綺麗だねと笑うクラウドに、オマエの方が綺麗だと甘い愛をささやいて、

そうして世界一ロマンチックなキスをする。

夕日が堕ちて、辺りが暗闇に紛れた頃。

ようやくクラウドを解放してやれば、彼はあまりに濃厚でとろけるような口づけに息も絶え絶えで、

ザックスのシャツにしがみ付いてくるだろう。

そうしてそのまま「優しくするから」と言って先を促すと、

クラウドは「女扱いするな」なんて、可愛くない返事をするのだ。

「女じゃない。世界一大好きな、俺の恋人だ。」と、

恥ずかしいセリフだろうと少しの抵抗もなく口にして、お姫様だっこでベッドまで運んであげる。

 

そして、そのまま、ひとつに―――――

 

 

 

 

 

なんて妄想で、この夏何回抜いたかわからない。

 

 

 

 

 


 

 

(ちくしょう、なんでこうなったんだよ?!)

 

夏の終わり、初めてのお泊りでリゾートバカンス!

当然ザックスとしては、大好きなあの子と一生忘れられないような思い出を

心と体に刻みたいという願いがある。

心と体に…つまり、ありていに言えば――初エッチだ。

(いやいやいや…もちろん、それだけじゃないけどさ?クラウドといるだけでめちゃくちゃ楽しいし、

嫌だっていうなら、別に抱きしめて眠るだけでも良かったんだ…おい、ほんとだぞ?!)

誰に言い訳をしているのかわからないが、ザックスは慌ててかぶりを振る。

 

(二人っきり、っていうのが俺にとっては重要なのにさ…)

 

そう、このバカンス――二人きり、で過ごすはずだったのに。

ザックスにとって想定外のハプニングが起きたのだ。なにってそれは、

「おい、子犬。クラウドはどこだ。」

ゆらりと隣のソファから男が起き上がれば、銀の髪にくっついたさきイカもするりと床に落ちる。

 

「シャワー…じゃねえの。あーあ、なんでおっさんがいるんだよ!」

不満のひとつやふたつやみっつぐらい、言いたくなるというものだ。

本当ならば今頃、クラウドと二人で花びらを浮かべたジャグジー入る…などという

夢のようなシチュエーションを経験できたかもしれないのだから。

ザックスの心中を見透かしたように、男はにやりと口元を歪めた。

 

「ふっ…残念だったな。貴様にあの子はもったいない。

 犬は電柱にしがみついて腰でもふっていろ。

「てっめえ!やっぱりわざと付いてきやがったな!このストーカーイカ大王!」

 

そう、あろうことか、かの英雄セフィロスが――予約していたコテージの『隣』の部屋に宿泊していたのだ。

「たまにはバカンスも悪くないと思ってな」なんて、男はしらっこい顔をしていたのだが、

結局はザックスとクラウドの新婚旅行(←あくまでザックスの気分)を邪魔しにきただけ。

――ストーカーなのだ、とどのつまりは。

 

「もともと、あの子に目をつけていたのは俺だ。あの可愛い尻を犯そうと思っていたところを、

通りすがりの野良犬に掘られてしまったのだ、俺のクラウドは。」

「クラウドは俺のだ!ってか、まだヤってねえし!」

クラウドと出逢う前のザックスならば、女の子と目があった瞬間に口説いて、10秒後にはキス、

30分後にはホテルへ直行。

貞操観念というものがザックスの辞書にはない、と自他ともに認めるプレイボーイであったはずなのに、

クラウド相手だとそうはいかない。

 

…大切にしたいのだ。

体だけが目的ではないとこの子に知ってもらいたかったし、実際、触れるのが恐いと思うほどに大事だった。

 

「ほう?あの子の尻は、無事なのか。」

「そういう言い方すんな!このド変態英雄!」

「処女はいい。泣きわめき痛がるクラウド…きっと、愛らしいな。」

「や〜〜〜め〜〜〜ろ〜〜〜!!!」

 

昨夜のことだ。男は二人の部屋にさしいれだと称してビールを持ち込み、そのまま酒盛りになった。

クラウドはセフィロスに憧れていてソルジャーを目指しているぐらいだし、

英雄の人間っぽさ(いわゆるただのエロ親父であること)を知らないから、

例のキラキラした目でセフィロスを見ていた。それだけで、ザックスとしては面白くない。

早く自分の部屋に帰れと目でアピールしていたのだが、セフィロスはいっこうに帰る気などなく、

そのまま三人、日付が変わっても飲み続けていた。

 

気付けば、三人とも酔いつぶれ――それぞれソファや床の上で雑魚寝に至ったのだ。

(あーあ…ロマンチックな初夜にするはずが、全然ロマンじゃねえ…)

部屋に転がるビールの空き缶。散らばるサキイカやチーカマ

そしてソファでぶっ倒れていた酒臭い男たち。(クラウドはいい匂いがするから例外だ。)

 

 

そして今、ようやく目が覚めたときには、クラウドの姿は目の前になく、憎きライバル?であるセフィロスと

二人きりになっていたのだ。

(あーあ…クラウドの風呂、覗きてえなあ…前にプールで見たあいつの体、すっげえ綺麗だったよな)

などと不埒な妄想に至っていると、セフィロスがいつもの無表情で廊下のドアへと向かう。

海風にさらりと銀の髪が靡いて、ほの暗い部屋の中でさえもそれはキラキラと光を撒いていた。

その美麗な横顔は、まるでワインセラーに年代物の洋酒を探しにいこうか…とでもいうような

すました面持ちである。が、そっちにセラーなどない。ドアの向こうにあるのはひとつ、

 

「ちょ…セフィロス!おまえ、どこいくんだよっ!そっちはバスルーム…」

「バスルームですることなど一つしかない。覗きだ。

――男とは皆一様に、どうしようもない生き物である。

 

 

 

 

 


 

ガチャ。

 

廊下のドアが開かれ、クラウドがメインルームへと戻ってくると、そこは変わらぬ静寂。

先ほどと同じようにソルジャー二人もソファで眠っている。

もちろん、大慌てで体裁を取り繕った「寝たふり×2なのだが、クラウドは知る由もない。

「…風邪、ひくよ。二人とも…」

小さい声でかけられる言葉は、おそらく起こす意思はない。

しばらく窓際の椅子にこしかけ、窓の外を眺めていたが、小さなあくびをして眠そうに目をこする。

 

そろそろ、空が明るんでくる時間。

でも、充分もう一眠りできるだろう。

 

クラウドがベッドールームへと消えていき、ザックスも後を追おうかと思っていると。

またすぐに戻ってきたので、慌てて寝たふりをする。

たぶん、セフィロスも寝たふりを続けているのだろう。

格好つけて、長い足を組みながら眠っているのがザックスとしては面白くない。

 

クラウドの細い足が、ザックスの眼の前を通り過ぎる。

そうして、セフィロスの眠るソファの前に、

(え…?クラウド…?!)

ベッドルームから持ってきたのだろう、パイル生地のタオルケットを、セフィロスの体にそっとかけたのだ。

 

――面白くない。

 

自分よりセフィロスを「優先」させたクラウドの行動が、あまりに面白くなかった。

つまらない嫉妬だとわかっていたけれど、それでも。

 

 

(俺より、セフィロスがいいのかよ?)

 

 

そうクラウドが言ったわけではない。

きっとこの後、優しいクラウドのことだ、ザックスにも同じようにタオルケットをかけてくれるに違いない。

だけど、だけど、だけど――胸の辺りがジリジリして、焦げ付くように苦しいのだ。

 

ぺタ、ペタ、と。

クラウドの白い足首が、今度はザックスの目の前で止まった。

そうして、思っていた通り、ふわりとタオルケットをかけられ――

 

トサ、

 

(…?え?)

タオルケットだけじゃない。何か柔らかくいい匂いのするものが、一緒にかぶさってきたのだ。

決して広くないソファの上、まるで今にも落ちそうなのだが、クラウドがザックスに寄り添っている。

一枚のタオルケットで、包まれる二人の体――

 

「クラウド!!!好きだ!!!」

 

「わ…?!なんだよ、起きてたのかよ…!」

頬を赤らめる照れ屋な恋人に、たまらくなって頬ずりする。

タオルケットの中で、その体をぎゅうぎゅうと抱きしめて。

 

「クラウド、俺、すっげー嬉しい。めちゃくちゃ愛されてるって実感!」

 

「ちょ…なにして…!だめ、そんな、なに考えて、」

クラウドの短パンに戸惑いなく手を差し込み、ずっと触りたくてたまらなかった、

でも我慢するしかなくて妄想の中で扱きまくった彼の性器を握りこむ。

 

「大丈夫、死ぬほど優しくする。約束するから。」

 

クラウドが怪我をしないように。

この子の好みそうな桃の香りがするローションだって、ちゃんと準備してある。

予備で、ココナッツの香りもある。

…せっかくのバカンスだから、雰囲気を大事にしてココナッツもいいかもしれない。

「だって…セフィロスさんいるし…!」

「他の男のことなんか、考えるな。俺のことだけ見ろ。」

誰が見ていようが関係ない。今問題なのは、桃の香りかココナッツの香りか、どちらにするか。それだけだ。

「無理!むり、だってば…!お願い、やめてザックス…この状況、ちゃんと考えてよ…!」

クラウドの言うとおり、少し冷静になって考えてみる。考えてみた結果、

 

 

ココナッツに決めた!

 

 

「は?!なにいって…あっ…うそ…!見ないで…」

ショートパンツとTシャツを脱がして、すべすべな肌を撫で上げる。

脇腹を少し掠めたぐらいで、大袈裟なほどにクラウドの体はびくりと跳ねる。

他人との接触に慣れていない故か、もとより感じやすい体質なのか――

もっとすごいことしたら、いったいどうなってしまうのだろう。そう、たとえば、

「ひゃあ?!えっ、な、く、くちで…」

「ひもひいい?」

「口に入れちゃやだぁ…!んぁ…ああん!」

 

ザックスの頭を押しかえすように抵抗を見せるクラウドだが、力はほとんど入っていない。

しまいには抵抗もやめ、ザックスの頭を抱きしめるようにして快感に悶えていた。

きっと、羞恥心がぼやけてしまうほどに、気持ちいいのだろう。

当然といえば当然――ザックスは男の性器を口に含む経験など当然なかったが、

妄想の中では散々彼の小ぶりなそれを可愛がってきたのだ。

プロにも負ける気がしない。

何回クラウドの性器をしゃぶってきたと思っている。妄想の中でだけど。

 

「あ、だめ、だめ…でちゃ、でちゃう……っ」

だめ、と言うくせに下半身を切なそうに突き出してくるクラウド。厭らしくてたまらない。

「おねが、はなして…でちゃう、から……っ」

肩を大きく上下させ、息も絶え絶えで、涙を湛えてザックスに縋るその視線。

それを裏切るように強く吸い上げてやる。遠慮も我慢も必要ないのだ。

何回クラウドの欲望を飲み干してきたと思っている。妄想の中でだけど。

 

「あっ!あ……っ!!!!!」

控えめな、けれどか細く叫ぶように。

愛らしい喘ぎ声とともに、口内に広がるクラウドの味…それに少しの嫌悪感もなく。

ザックスはちゅ、ちゅ、と残骸まで搾り取るように吸っていく。

その清廉な見た目通りというか、やはり薄い。

ザックス自身が吐き出すもののような、青臭さが感じられないのだから不思議だ。

 

「なんで、そんな、きたないの…なめるの…」

「クラウドのだぜ?俺はオマエならションベンだって飲める。」

「へ、変態…!」

「クラウドは、わかってねえなあ…」

 

ちらりと、隣のソファに視線をやると。英雄があの長い足を優雅に組んだまま、眠っていた。

でもその足と足の間にあるもの、それは黒いボトムをこれでもかというほど押し上げているのだ。

見たことはないが、おそらくはセフィロスもなかなかの手練れだろう。イチモツのサイズ的に。

 

「――男は、みんな変態なの」

 

妄想男ザックスしかり、ストーカー覗き男セフィロスしかり。

隠せば見たくなる。嫌がる姿に、興奮する。そういう生き物なんだよ。

クラウドの瞳から、大粒の涙がこぼれる。彼の抱く恋人への幻想――

それが、きっと音を立てて崩壊しているのだろう。そう思うと、今のは失言であったと後悔が押し寄せる。

(でも、)

でも、好きだけど、好きだから、騙すようなマネはしたくない。

足を組んで格好つけるのは簡単。紳士のふりをするのも簡単。

けれど本当はどうしようもなく、クラウドに溺れているだけの情けない男だってこと

それを体を繋げる前に、知っていて欲しかった。受け入れてほしかった。

 

「俺は、嫌だって言われても、興奮しない。…たぶん、悲しくなるよ。」

 

いかにもクラウドらしい。清らかで、素直な言葉だ。

「でも、いいよって言われれば…興奮、する。」

「え?」

 

 

「ザックスに、好きだって言われると……すごく。すごく、興奮、してる。」

 

 

俺も変態なのかな、と。ザックスの膝の上で体を丸めようとする彼を、思い切り抱きしめた。

「ごめん、俺もそうだ…!」

どうして、誰かに教えられたわけでもないのに、こんな風にひとを好きになれるんだろう。

「…ザックス?」

「イヤイヤもいいけど。やっぱり、オマエがいいよって言ってくれた方が…すげえ興奮する。」

どうして、ひとつになりたいって、全身が狂おしいぐらいに叫ぶんだろう。

 

 

「じゃあ……いい、よ。」

 

 

どうして、どうして、どうして。

その生物学でも心理学でも宗教学でも、正しい答えを導き出せぬような。

あまりに難解な問いに、答えてくれるのは学者でも思想家でも神様でもない。

きっと、腕の中のクラウドだけ――

 

 

 

 

タオルケットの中。

ソファをぎしぎしと揺らして、互いの体を求め合っていた。

触って、揺らして、突き上げて、はき出して、溶け合って。

声を出したくないというので、深く唇を合わせてふさいでやれば、不器用ながらも舌で応えてくれる。

その下手なキスが、信じられないぐらいに興奮を煽るのだ。

 

 

(やっべえ…)

 

やばいぐらいに、燃えた。それに、やばいぐらい萌えた。

妄想では正常位もバックも座位も騎乗位も、しまいには駅弁などという体位まで頑張ったザックスだが、

現実、タオルケットの中で叶ったのは正常位のみ。それでも、あっという間に持ってかれてしまったし、

泣きすがるクラウドの可愛さったら、しがみ付いてくるクラウドのいじらしさったら、

もはや本当に同じ男なのか人間なのかと疑うほどだ。

カワイイ尻もたまらなく具合が良くて、何度も何度も中を汚してしまった。

(初めてで、中だしとか…俺ってさいてい…)

それだけじゃない。

 

「意識がとぶほど犯すとは。まるで発情犬だな。」

クラウドが意識を飛ばすまで、抱いてしまった。

それに、セフィロスが最初から最後まで――見ていたのに。

 

「クラウドには言うなよ。絶対に。」

タオルケットに包まれた愛しい恋人の体を、男から隠すように腕の中に抱きこんだ。

自分は見られてもどうでもいいが、クラウドが知ればきっとショックが大きいだろう。

ある種トラウマになって、二度とセックスなどしないと拒絶されてしまうかもしれない。

それはザックスにとって、死刑宣告に等しい。

「――言わないさ。」

柄にもなく、素直に願いを聞き入れるセフィロスに違和感を感じる。

可笑しい。絶対可笑しい。嫌な予感しかしない。

この男は、ザックスが腹を下せば下剤を勧めるような、そんな鬼畜の王道をいく(?)なのだ。

 

 

 

他の男に抱かれるクラウドもいい。たまらないな。

 

 

 

恋とは、罪深い。

誰に教わるわけでもないのに、男はまた、変態の扉を勝手にこじ開けてしまった――らしい。

 

 

 

 

なあなあ、クラウド!

秋になったら、紅葉狩りのドライブをしよう。

冬になったら、鍋を囲んで乾杯しような。

春になって雪が融けたら、

オマエの母ちゃんに挨拶に行こうか。

そしてまた夏がきたら…

 

 

 

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C-brandMOCOCO (2013.09.22

ザックスが変態なら、セフィロスはどうしようもない変態。

ただの夢なんで、オチが見つからないのです…

   

 


 

 

 

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