ご注意
*無印時代。ウォールマーケットの「ドン」がザックスだったら…という冗談みたいなパラレル。
*ザックスが冷酷非道な鬼畜です。今後18禁予定。
*エアリスやティファ、バレット達は、おおむね「公式ストーリー通り」の設定です。
 彼らについての説明はないので、無印のFF7を未プレイの人は、背景や展開がよくわからないと思います。


世界が壊れても、自分を壊しても、
貴方が生きていればそれでよかった。

act3 姦譎なるパープル・ドレス



常であれば酒屋は喧騒の中にあるはずの午後8時、バー・セブンスヘブンは「CLOSED」の看板をさげていた。
その看板に気付かぬ常連客達は、いつものように店の扉を開け、そうしてすぐに後悔する――

「おいテメエら!!閉店の文字が見えねえのかっ!!!」
「ひいいっ!!ご、ごめんなさい!!!」

出迎えてくれるのは明るく元気いっぱいで、大きな黒い瞳と豊かな胸がチャームポイントの看板娘…ではない。
あろうことか、思わず見上げるほどの大男で――しかも全身傷だらけでこれでもかというほど筋肉隆々。
あまつ人工武装させた右腕のギミックアームを、威嚇のために乱発してくるものだからたまらない。

自分の脚につまづきながらも、命からがら逃げ出した常連客たちであったが。
男が外まで追いかけてこないことを確認すると、店の窓からそっと中の様子を窺った。

「ティ、ティファちゃんは無事か…?」
「おい、まさか縛られてえっちなことされてるんじゃ…」
「俺たちのティファちゃんを汚すなこの馬鹿野郎!」
「だってよう、」

自分たちのアイドルでもあるティファは、いったいどうしたのだろう。
つい先日、酒癖と女癖の悪い偽ソルジャーが店で騒ぎを起こしたように――もしやこの粗暴な大男も。ティファらを力でねじ伏せ、言葉にするのも憚れるような下劣な行為を強いる気なのではないか…?
人情豊かな常連客たちは、ティファの安否に不安を募らせる。
「――いや、落ち着けよおまえら。たぶん、ティファちゃんの姿はないぞ。」
いざとなれば武器を手に(といっても酒瓶ぐらいしかない)彼女を助けにいかなくては――と、手に汗を握る。
皆が窓に顔を擦り付けるようにして、さらに店内の奥を覗き込んだ時だった。

ドカッ!!!!

大男の巨体が、まるで重力など存在しないかのように投げ飛ばされ、壁へ衝突する。
その振動でガシャンガシャン、と数枚の皿やグラスがカップボードから落ちる。
プロレスラーか、はたまた服を着たゴリラかというほどの巨体が…まるで風に飛ばされるタンポポの綿毛のように、容易く宙を舞ったことにも驚きだが。
だが、何よりも――その巨体を殴り飛ばした人物が、その大男よりも一回りも二回りも、いや三回りは華奢といえる美しいひとだったものだから、窓から覗いていた客たちは言葉を失った。


「いってえな!クラウド!いきなり何しやがる!!!」
「……何故、ティファを行かせた。貴様らアバランチは、神羅に復讐するためなら手段は択ばないのか?」
「俺だって止めたんだ!でもティファは頑固だから、俺の言うことなんか聞きやしねえ!」
「だが女だ。アンタが本気なら力づくでも止められたはずだ。それとも、その筋肉はただの飾りか?」
「……そりゃ、そうだけど…!でもよ、クラウドのために出来ることしたいって言われたら……、俺には止められねえよ。」
「………。」
「……いや、そうだな。今回ばかりは…俺が悪い。ティファの安全を考えれば、情に絆されるべきじゃなかった。すまねえ、クラウド。」
「………。」

大男の謝罪に応えることはなく、金色の麗人は背をむけて歩き出す。
「ま、待てよクラウド!これからどうする気だよ!」
「アンタには関係のないことだ。」
「いや、関係ある。おまえ、ティファを助けにいくんだろ?!あいつは言ってた、クラウドは自分のピンチの時には助けにきてくれるって――ヒーローだって。頼むクラウド、俺にも何か手伝わせてくれ!」
必死で言い募る大男に、麗人は振り返ることも足を止めることもなく、冷たく斬り捨てようとした。


「足手まといは必要な」「バレットさんじゃ足手まといになっちゃうよ!」


緊迫したこの場にそぐわない、鈴が鳴るような、可憐な女性の声。
クラウドとバレット、この二人の間に割って入ってきたのは、桜色のワンピースと同色のリボンがよく似合うスレンダーな女性である。
「そのティファさんってひとを助けに、ドンの屋敷に行くんでしょ?だったら、バレットさんじゃ駄目。ぜ〜んぜん、駄目。
だって、すご〜いマッチョだもん。だからここは、クラウドと私に任せて?絶対、ティファさんは助け出してみせるから。」
「え?」
「は?」
意味がわからない、と彼女に対して首を傾げたのは大男と麗人、二人ともだ。

「…エアリス。なんだかよくわからないが。アンタを巻き込むわけにはいかない。」
表情は変えぬまま、しかし少しだけ温度のある声色で、麗人は彼女に対して言葉を返す。
「もう十分巻き込まれてます!」
女性はぷくりと頬を膨らませてから、まるで弟に諭す姉のように今度は一言一言ゆっくりと言い伏せようとする。
エアリスとは、クラウドの負った傷を癒してくれた礼に、彼女のボディガードとして身を守るという約束を交わしていた。
つまりはまだ、出逢ってから数時間しか経っていない――それなのに、この距離の近さ。
他人に対して執拗なほど警戒してしまうクラウド相手に、その度胸とマイペースさはいっそ敬服ものといえる。


「もう!クラウドもバレットさんもわかってない。ドンの屋敷に、男は入れないの。入れるのはドンの眼鏡に叶うような、若くて綺麗な女の子だけ――つまり、ドンの「色」だけなのよ。ちゃんと知ってた?」
「……いや、」
素直に首を横に振ったのはバレットだけであったが、おそらくは麗人も答えは同じ。

「別に、奴らの許可など必要ない。正面突破して、邪魔な奴らは全て斬ればいいさ。」
「それじゃあ、ティファさんが危ないでしょう?彼女を盾にとられるかもしれないし、そうなればクラウドだって危ないわ。」
「……しかし、」
「だから、私に任せて。」
「任せる?」
「私が絶対にクラウドを――――ドンの屋敷にいれてあげる。」

手段も根拠も、何も明かされていないというのに。彼女の自信に満ちた瞳と表情、それに相手にNOを言わせぬ強引で奔放な雰囲気――
それに降参とばかりに麗人が肩をすぼめると、彼女は満足そうに頷いた。






***************


スラムのウォールマーケットを牛耳る「ドン」の正体が、実はかつての友人かもしれない―――と、レノは言った。

クラウドを護り、命を落としたと思われていた元ソルジャー「ザックス=フェア」。
彼が実は生きていて、今は闇組織であるドンファミリーのボスとして暗躍している。
酒やドラックに溺れ、女を取り巻き、暴力とセックスに明け暮れ…
しかも記憶を失っているのか失ったふりをしているのか、旧知であるタークスのレノを殺そうとしたのだと。

当人であるレノにその話を聞いたクラウドは、とてもじゃないが信じることは出来なかった。
レノが趣味の悪い冗談を言ったと思っているわけではない。
きっと若き頭領である件の男は、彼に良く似た風貌の男なのだ。それをレノが旧友と勘違いしたのだろう。
クラウドはそう結論つけて、それ以上レノの話を聞こうとしなかったが――ティファは違った。
違法集団であるドンファミリーと神羅カンパニーの決定的な繋がりを証拠づけることが出来れば、反神羅レジスタンスであるアバランチにとって、大きな主張の武器となる。少しでもドンについて知りたいのが本音。
そして何よりも――クラウドの心を縛り続けるかつての親友「ザックス=フェア」という男について、調べぬわけにはいかなかったのだ。

ザックスが生きているのか。ドンがザックスなのか。クラウドのことを、本当に忘れてしまったのか。
クラウドが出来ないというならば、彼のかわりに真実を見つけてあげたい。
レジスタンスとして、というよりも―――いうなれば、クラウドのため。愛する男のために、ティファは危険な賭けにでたのである。

ドンファミリ―の屋敷へ入るため、ドンの「色」を願い出る。
体と命を張った、あまりに危険な賭けだった。








「…エアリス、聞いてないぞ。」
「いいから着る!ちゃっちゃと着る!ティファさんのためでしょ?!」
「なんでこれが、ティファのためになるんだかわからないんだが、」
「私のセンスが信じられないの?いいから着なさい!!」

ウォールマーケットの一角、ブティックの試着室で。
最後の抵抗をみせるクラウドに対し、強引に説き伏せるのはエアリスだ。
しまいにはカーテンの中に入り込み、無理矢理に衣服を脱がせ始めたらしいエアリスの暴挙に、ドレスのことなどてんでわからないバレットはただ傍観者でいるしかない。

「ちょ…おい、エアリス!やめ…」
「わ!なにこの腰の細さ……っ!すごい羨ましいよクラウド!」
「どこを触ってるんだ!」
などと、美人ふたりが狭い試着室の中で言い争う様子は、どこか艶っぽいシチュエーションな気がして。ドキドキ高鳴る胸を鎮めようと、バレットは大きく深呼吸した。 すぐ隣では、ドレスを仕立てたブティックの店主が鼻息を荒くしている。
そのとき、勢いよくカーテンが開かれた。

「うわ…っ!!!!」

ブティックの店主も、バレットでさえも、悲鳴のような声をあげてしまった。
シルクの美しい布地で織られた、紫色のドレス。肩にかかるふわふわの金糸の巻き髪。
シースルーのストールから零れ出る美しい白肌。細い腕と儚いまでの華奢な腰は、とてもじゃないが男とは思えない。
それだけでも十分魅力的な令嬢であったのに、エアリスは小さなハンドバックから細々としたメイク道具を取り出し、
流れるような器用な動作であっという間に薄化粧を施したのだ。
美しい肌がいっそう煌めきを纏い、内側から透けるような桃色が頬をさす。瞼はゴールドのパールで彩られ、くりんとカールされた睫毛は驚くほどに長い。厚くはないが形の良い唇が、艶々と濡れていて――

男であれば誰だって、目が離せない。

「バレット、クラウドのこと見すぎじゃない?」
「み、みみみみてねえよ!」

バレットはその荒々しい見た目や雰囲気に反して、とても真面目で朴訥な男である。
とかく今はレジスタンス活動と、愛娘の健やかな成長のことで頭はいっぱいいっぱいの毎日であるから、異性への関心などかまけていられないのが現状だ。
しかし、今、ここまで美しい女性(男だが)を目の前にしてしまうと――
この麗人に数時間前投げ飛ばされた事実も忘れ、思わず頬を染めてしまうのだった。

「…可笑しければ笑え。」
そう、きまりが悪そうに絶世の美女(と化したクラウド)は言う。
しかしその濡れた唇が言葉を紡ぐだけで、なんともいえない色香を放出させているようだ。
ここは「全然似合わねえ、やなもん見ちまったぜ」と返すべきだろう。
あるいは「女のかっこう、似合ってんじゃねえか。せっかくだから荒稼ぎしてきたらどうだ」と笑い飛ばすのが正解だろうか。
バレットはもはや、普段の自分ならばどちらが「らしい」のか、判断ができる状態ではなかった。

「ブロンドのかつら、シルクのドレス、セクシーコロン、それにセクシーランジェリー!完璧だわ!」
そう拳を握るエアリスに、「え、ランジェリーまで?!」と男たちが反応してしまったのは罪ではない。
「……門前払いになったら、正面突破で斬りこむからな………」
そう、憔悴しきったクラウドは呟いたが。エアリスもバレットもその心配はないと確信していた。





――数時間後。ドンの屋敷の入り口では。
「おおお!キミ、すっげー可愛いね!お友達もすっげえええええええ美人!!!さあさあ、二人とも入って入って!!」
門前払いどころか、快く大歓迎されてしまうのである。






*************


ドンの屋敷に招かれる「色」とは――そのほとんどが、高級ホステスや人気売女である。
ドンに気に入られて愛人の位置に置いてもらえれば、それは商売女達にとってはこのうえないシンデレラストーリー。
金もドレスも宝石もグルメもワインも、ドラックだって、望むものは何でも手に入るのだ。
そのうえ、先代の「ドン・コルネオ」は肥えた中年男であったが、新しい頭領は若くて精悍な色男だ。
どれだけ体を売ったところで手に入らないような、豊かでゴージャスな生活が送れるだけじゃなく、とびきりいい男に抱いてもらえる。
我こそはと、美貌にだけは自信のある多くの愚女が、ドンの屋敷を訪れた。

しかし、希望した全ての女がシンデレラ――すなわち、ドンの「愛人」になれるわけではない。
一度だけ夜の相手をして金をもらい、あとは出ていけ――と捨てられるだけならいい。
ほとんどの女はドンファミリーの輩達、つまるところはドンの部下たちの相手をさせられるか、違法風俗や違法クラブで体を売ることになる。
…というのが、バレットが知る限りの「ドン・ファミリー」の情報である。

地下階段へと誘導されながら、その悪趣味な館にクラウドは溜息をついた。
「女の子たち専用の待合室で休んでいて」と、ファミリーの部下はへらへらと笑みを浮かべていたが。
こんな地下の奥深くに作られ、ご丁寧に鉄格子と錠つきの扉で仕切られた部屋など…軟禁目的のものだとしか言いようがない。
その「女性用の待合室」には、すでに数十人の女性たちが待機していた。
それぞれ化粧を直していたり、携帯をいじったり、お喋りをしたり。危機意識がまるでないのは、若さと愚かさ故か。
リッチな男の恋人になれるかもしれない――その程度の認識しかないのだろう。



浮き足立った女たちからは外れ、一番隅のベンチに腰かけて黙している女性。
青いドレスに美しい黒髪――
「あのひとがティファさん?」
クラウドの視線ですぐに気付いたのだろう、隣のエアリスが問うてくる。
「どうしたの?助けにきたぞ!って、声をかければいいじゃない。」
エアリスはそう急かすが。クラウドとしては、そういうわけにもいかない。
…今クラウドは、そのような台詞が似合う姿ではないのだから。
「もう、しょうがないわね!」そうエアリスはわざとらしく肩をおとすと、ティファに話しかけてしまう。

「ティファ…さん?」
「…?あなたは、」
「わたし、エアリス。貴方のこと、クラウドから聞いているわ。」
「クラウドに…?貴方はクラウドの…?」
「あ、違うの。安心して。クラウドとは何でもないの。少し前に知り合ったばかりよ。」
「安心って、何を安心するの?ああ、勘違いしないで。私とクラウドはただの幼馴染よ。何でもないの。」
「ふふ、でも二人してなんでもない、なんて言ってると、なんかクラウドが可哀想。――ね、クラウド?」
「え、クラウド?……クラウド?!」

エアリスの後ろに隠れていたクラウドだったが、その姿をティファに見つけられてしまえば、後はもう開き直るしかない。
「クラウド、その格好どうしたの?!なんでここにいるの?!っていうか本当にクラウド?!すごい綺麗!!」
「………そんないくつも質問するな。この格好は…ここに入るために仕方がなかった。不本意だが俺だ。ちなみに綺麗じゃないし嬉しくない。」
律儀にも、ティファの質問に全て答えたクラウドだが、今度は彼女に問いたださねばならない。

「ティファ、ちゃんと説明してくれ。こんなところで何をしているんだ。」
「……こんなところまで、助けにきてくれてありがとう。心配、かけてごめんね。」
「答えになってないぞ。」
「…うん、その……クラウドは怒るかもしれないけど。やっぱり確かめたくて。新しいドンのこと…」
「あいつはザックスじゃない。」
「…でも、でもね。私見たのよ。遠目だったけど、ドンの横顔。ニブルヘイムで会ったときよりも髪は短かったし、冷たい目をしていて雰囲気は全然違ったけど……頬に、傷があった。あれは間違いなく、」
「――やめろ、」

ティファの言葉を、思わず強く遮った瞬間だった。
鉄格子の扉が、ガチャンと重い音をたてて開く。
カツン、カツン、と革靴の足音が近づいてくる。その歩行リズムは訓練された軍人そのもので、クラウドの背に冷たい汗が伝った。
「きゃあ!ドンよ!!」
「私を選んで!」
「私にしてお願い!」
高いヒールを履いた女性たちが群がり、その「何者か」の姿は確認できない。けれども、



「うーん、どの子猫ちゃんにしようかなあ。」


甘い、甘いその声は、まるであのひとの―――
「ごめん、かしましいのって好きじゃないんだよね。やっぱり女の子は、控えめで恥ずかしがりなぐらいが可愛いなあ、」
呑気な声でやんわりと拒絶された女性たちは、しがみつくようにしていた男の体から手を離す。
自由になった男は、カツン、カツンと足音をたてながら歩みを進める。

女の群れから外れたその男は、コーナーランプの明かりを背負っていて、表情を確認することは出来ない。
クラウドよりも頭一つ分ほどは高い背丈、長い脚、スラリとしているが屈強で筋肉質な体つき、
そうして飄々と肩をすぼませてみるその仕草――
シルエットだけでもう、彼が誰かなんて、



…カツン。



クラウドのすぐ眼の前で、足音が止まった。
ゆらり、とランプの灯が揺れめいて、彼の顔を認識する。
記憶の中にある彼よりも、輪郭が少しシャープになっていて、黒髪も短くなっている。五年前にはまだ残っていた青少年の雰囲気はなく、すっかり精悍な大人の魅力に満ちている。
けれど、疑いようもない。


「ザ、ックス?」


数十人の、色とりどりの髪と色とりどりのドレスに身を包んだ美女たちの中で。
男は、一番奥で茫然と立ち竦んでいたクラウドだけを指差し――
「オマエの名前は?」
「ク、クラウ……クラウディア、」
「へえ、クラウディアちゃん、ね。」

どこか、試すような問い方。
レノの話によると、かつての記憶を失っているのだと言っていたが。本当に、クラウドのことを覚えていないのだろうか。
今、目の前にいる男はクラウドの知る親友≠サのものだ。
いや、もはや記憶などどうでもいい。たとえ彼が自分を覚えていなくても、彼が今、生きている。

それより大事なことなど――絶対に、絶対にない。

「…生きててよか、」
「一晩、1000ギルでどう?」
「…………?」
にこりと目を細められ、穏やかな声で紡がれるその言葉。
だからこそ、彼の提案≠フ意味が、クラウドには見当もつかなかったのだ。




「金髪、色白、しかもグイグイこないで控えめ。すっげー、好み。」




五年前、親友同士だったときと変わらない優しい笑顔と、優しい声。
けれどその無機質で、少しの温もりもない眼差しで、



「……今夜の相手は、オマエだな。」



トモダチであれば絶対に言わない一言を、彼は口にしたのだ。





過ごした時間、思い出、記憶…
あのとき二人に存在していた、名も知らぬ尊い絆。



貴方が捨てた全てを
俺は捨てては生きていけない。








次回、監禁エロス…になるはず(2016.05.08 C-brand/ MOCOCO)


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