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「赤ずきんを脱がさないで。」その後のお話。

ただのエロオチで終わる!(よーし言い切った!)

かなり露骨な性描写が含まれますので、18才以上の方の閲覧推奨です。いろいろすみません…

 

 

赤ずきんを脱がさないで。

番外編8 「Yes, I do.(完結)

 

 

「――他の男にやられっぱなしじゃ、耐えらんねえ。」

 

それは、失敗だったと思う。

クラウドを責める意図など欠片もなかったのに、彼はその大きな瞳に涙の滴を湛えて、

唇が切れてしまうのではないかというほどに噛みしめた。

そうして先ほどザックスの手によって脱がされた赤ずきんをつかんで、それで顔を隠してしまった。

 

「…ごめんなさい。」

違う、責めているのではないと。

慰めるつもりで彼の滑らかな白い頬に手をのばせば、その体は大袈裟なぐらいにびくりと揺れた。

「ごめんなさい、ごめんなさい…っ」

まさか、ザックスに殴られるとでも思っているのだろうか。

こんなに、指先で触れることすら恐いと思うほど大切にしたいというのに、

そのクラウドをよもや傷つけるなどあるわけがないのに。

 

「クラウド、ごめんな。俺、オマエにそんな顔させるつもりじゃなくって……いてっ!」

せっかく一年ぶりに再会し、愛を確認できる大事な瞬間だ。

なんとか誤解を解かねばならないと、優しく、甘く、そしてセクシーに語りかけたとき、

ザックスの足首にちくりと痛みが走る。

「こら!何すんだよ、邪魔すんなあっちいけ!」

あろうことかザックスの足首に、長い尾っぽが美しい一匹の野ギツネが噛みついていた。

 

そして感じる、多くの視線。

これは嫌な予感しかしないと、そろりと顔をあげれば…銀杏の木々や老樹の切り株、

コスモスやリンドウの花の間から、いくつもの視線がこちらを見ているではないか。

しかもそれらの眼差しは、穏やかなものではない。

それこそいったい自分になんの恨みがあるのかと慄くほどに、どいつも殺気だった視線で睨みつけてくる。

なんだろうこれ、ホラーじゃないか。。

 

「ちょっと待て…これ、どういうこと。」

「…………俺のトモダチ…。」

 

クラウドの答えで、なるほど、疑問は解けた。

つまりは、このキツネやリスやウサギや小鳥やアライグマや本当のクマ――この『森の仲間たち』は、

クラウドにとっては友達なのだ。

この子を泣かすなら俺たちが黙っていないと、一致団結している。そんなところだろう。

森に訪れる愛らしい少年を草木の間から見守り、幾年もの間心惹かれていたのは、

なにも狼一匹だけではなかったということだ。

 

「おい、俺はクラウドの恋人なんだよ!てめえら邪魔すんな!」

足に噛みついたキツネを振り払おうとしても、その屈強な犬歯でもってしがみついてくる。

クラウドに触れないし、歯が足に食い込むし、ザックスはすでに涙目だ。

 

「キツネさん、ザックスは悪い人じゃないんだ。悪いのは俺だから…噛みつくなら、俺にして。」

 

その言葉を理解したのかしていないのか、どちらにせよ前歯の力はさらに強くなる。

まずい、足を食いちぎられる…

でももっとまずいのは、クラウドにそんな悲しい台詞を言わせてしまったことだ。

1年経った今でも、クラウドが、自分自身を責めているということ。

 

 

 

…失敗どころじゃない。これは、大失敗だ。

 

 

 

 


 

 

 

――クラウドを最後に抱いたのは、ザックスではない。

 

ちょうど一年前…

セフィロスが無理矢理クラウドを辱めたあの日、あれからザックスは彼を抱くことはしなかった。

一方的に虐げるだけの行為はセックスじゃない。

だからセフィロスがクラウドを『抱いた』という表現は正しくないだろう。少なくともザックスは認めない。

けれども、あの男が愛しいクラウドの体に触れたのは、その腹の中を汚したのは紛れもない事実。

ミッドガルに行くと決めた1年前のあのとき、どうして彼を抱き直さなかったのかと――

ザックスはクラウドと離れた365日の間、幾度となく後悔していた。

 

抱かなかった理由は、ひとつじゃない。

深く傷ついただろうクラウドに、その恐怖を煽るような行為を強いることは出来なかった。

重傷を負ったばかりの体であったから、ザックス自身体力がだいぶ弱っていた。

すぐにミッドガルへと旅立ったから、そもそもゆっくりと二人で情を交わす時間もなかった。

でも、それだけじゃない。何よりも――

 

彼をこの胸に抱いて、放したくないと思うことが怖かった。

やはり手放すことなど出来ないと、心変わりする弱い自分が恐ろしかったのだ。

 

でも、あのとき抱いていれば、何かが変わったかもしれない。

この醜くどろどろとした感情を、一年もの間、燻らせることはなかったかもしれないのだ。

クラウドがこの気持ちを知ってしまったら、どう思うだろう。

こんなのはつまらない「独占欲」や「嫉妬」に過ぎないのに、彼のことだ、

不貞を責められていると、そう勘違いして汚れた自分の体を酷く責めるのではないだろうか。

 

 

 

 

 

「他の男にやられっぱなしじゃ、耐えらんねえ。」

 

案の定、クラウドはザックスのその一言に酷く傷ついた顔をした。

ザックスとしても、そんな無神経な言葉をまさか口にするつもりはなかったのに、

衝動のままにクラウドを押し倒し、浅く深くキスをして、そして腹の奥に燃えさかるような熱情が

こみ上げてきたとき…思わず唇から洩れてしまったのだ。

言うべきでなかったその台詞を、ザックスは訂正せねばならなかった。

クラウドの水膜を張ったその可憐な瞳から、大粒の涙が零れてしまうより先に。

 

だが、ザックスの謝罪の言葉は、クラウドの『森のおトモダチ』によって阻まれた。

 

小さかったり大きかったり、ふわふわしていたりもわもわしていたり、愛らしかったり牙がえげつなかったり、

そんな森の動物たちは、クラウドの一大事ではないかとにじり寄ってくるのだ。

「おい、いい加減はなせって!」

キツネの尻尾をつかみ上げてやりたいが、クラウドのトモダチだというならばそれも出来ない。

「キツネさん、お願い。ザックスが怪我しちゃうよ。放して?」

キツネさんとやらは耳をぴくぴくさせて、最後の仕上げとばかりにギリイッと歯に力をこめると、

ようやくザックスの足から離れていった。

 

「いってええええ!」

「ざ、ザックス…大丈夫?」

慌ててザックスのデニムをめくりあげて、足首の状態を確認すると、

クラウドは自身の頭巾の布を切り裂いて傷口に巻きつける。簡易的な止血をしてくれたのだろう。

ザックスの皮膚はそう柔くない。少し血が滲んだ程度であるから、すぐに止まるはずだ。

 

「サンキュ。あー、びっくりした。」

「…ザックス、ごめんね。」

「や、クラウドのせいじゃないし。とにかく、オマエがすっげえもてるってことはわかった。

オマエ泣かしたら、あいつらが黙ってないんだろ?頼もしいじゃん。」

先ほどザックスに噛みついたキツネは、当然だと言わんばかりに鼻をひくひくさせて得意げな表情だ。

 

「そのことも、だけど…1年前のことも。」

「え?」

「ザックスのこと裏切って……他のひとと、した。俺、ずっと謝りたくって、」

それ以上言わせてなるものかと、ザックスは慌ててその言葉を遮る。

「さっきは、酷いこと言ってごめんな。俺、オマエにそんな顔させるつもりじゃなかったんだ。」

「……怒って、いいよ。俺が悪いんだし…」

「違うって!悪いのはあいつと、俺だろ。オマエに怒るなんてありえねえよ。」

クラウドをあんな目にあわせてしまったのは、ザックスが弱かったから。

この子を守る力があったなら、あんなことにはならなかったのだ。

 

「でも…ザックス、あのとき俺に触ってくれなかったし。俺のこと、嫌になったんじゃないの?」

「そんなわけねえだろ!あの時は、オマエと離れられなくなっちまいそうで…

たしかに、オマエに触るのが怖かった。けど、」

離せなくなって、さらってしまうかと思った。

一度心に決めたことも通せず、彼を不幸にしてしまうのではないかと。

 

「けど――あれから、すっげえ後悔したんだ。」

「…後悔?」

「オマエのこと、抱けばよかった。」

「……うん、」

「オマエに跪いて、1年経ったら会いにいくからそのときは俺と結婚してくれって、約束すれば良かった。」

「…結婚って。男同士なんだから、出来ないだろ。」

「ミッドガルじゃ普通にできるぞ。っていうか、出来るとか出来ないとじゃない。結婚したいから、する。」

「なにそれ。言ってることめちゃくちゃだよ。」

 

 

 

「――だから、俺と結婚してくださいって言ってんの!」

 

 

 

この感情は、狼の本能なのか、ひとの本能なのか。

愛する人を自分のものにしたいと想うその心は、酷く傲慢で、けれどあまりに自然だ。

醜くて美しくて、複雑なようで単純で、ただ、この瞬間から死ぬまでの間片時も離れずにいたいと思う。

 

「ミッドガルに、オマエのこと連れていきたい。オマエに、いろんなもん捨てさせるってことは、わかってる。

あっちには、母ちゃんもばあちゃんもいないし、動物だっていないし、花だって咲いていない。

寂しい思いするかもしれないし、辛い思いするかもしれない。けど…」

もっと明るい未来を彼に約束したい。けれど、ザックスが言えることはひとつだけだ。

 

 

「けど、俺がいる。俺は死ぬまで…死んでも、オマエのこと離さない。」

 

 

クラウドとともに生きられるなら、ザックスとってはこの先何が起ころうとも乗り越えていける自信がある。

幸せになる、自信がある。――けれど、クラウドは?

オマエを幸せにすると言ってやりたいのに、両親や祖母に惜しみなく愛され、

森の動物に愛されているクラウドは、ここに居場所が確かにあって、十分に幸せであるはずだ。

 

クラウドを連れ出せば、いつか彼はザックスを恨むかもしれない。

そんな悲しい未来さえ想像してしまうのは、愛しさゆえだ。

愛ゆえに、ひとは臆病になる。クラウドを失ったらと、あってはならぬもしもを考えてしまうのだ。

 

 

 

「…本当は、もう、お母さんにもおばあさんにも言ってある。」

「え?なにを?」

「ミッドガルに行って、ソルジャー目指したいって。」

「へ、」

「俺はザックスと、ミッドガルに行く。駄目だって言われても、付いていくつもりだった。」

 

それはこの1年の間、彼が考えて導き出した答えなのだろう。

彼のことだ、自分のためではなく、ザックスのために何が出来るかを悩んで。

 

「で、でも…なんでソルジャー?俺は一緒にいたいだけで、オマエに危ない目にあってほしくは、」

ない、と言おうとしたそのとき。クラウドが悪戯っぽく笑った。

「ティファと約束した。ソルジャーになって、ピンチの時には駆けつけるって。」

「え?!誰だよティファって!もしかしてさっき言ってた、黒髪で目が大きいミニスカか?!」

「いちいち涙目になるなよ。冗談に決まってるだろ。」

「…じゃあなんで。」

 

 

 

「ザックスを、守りたい。もう、守ってもらうばかりじゃなくって…俺が、」

 

 

 

クラウドは、ザックスの前で膝をつく。

見上げてくる瞳は強く、優しく、真っ直ぐで、一年前の少年とは少し変わっていた。

可憐なだけの赤ずきんではない。

愛を得るために戦っていくことを決めた、凛とした立ち振るまい――

 

 

 

 

「俺が、貴方を幸せにします。」

 

 

 

 

もう、我慢など出来るわけがなかった。

 

 

 

 

 

 


 

 

「…もう、いい加減泣きやめよ。」

「だって…だって、クラウドが。俺と結婚してくれるって…!」

「ぶ、酷い顔。」

我慢など出来るわけがない――ザックスは、あまりに幸せで、大声を上げて泣いてしまったのだ。

森の動物たちはクラウドの涙には黙っていないらしいが、ザックスの涙には興味もないらしく、

一匹、また一匹とその姿を森の中へと隠していった。

 

「そんな酷い顔すると、おばあさんのとこ連れていけないよ。」

「え?」

「カボチャプリンとカボチャパイ、あとカボチャのグラタン作ってくれるんだって。俺と、ザックスの分。」

「ばあちゃんち、行っていいのか?」

「母さんもいるよ。今夜はハロウィンだろ。村の収穫祭は、家族のお祭りだから。」

「…俺のこと、ばあちゃん達に何て紹介してくれんの?」

家族の行事に呼んでもらえることが嬉しい。

せっかく涙が止まりかけていたのに、また目頭が熱くなってくる。

 

「犬、ひろっちゃったって。」

「言うと思った!思ったけど!犬じゃないし!狼だし!」

「嘘だよ。」

クラウドはザックスの顎をとってさする。それはどう考えても、犬を可愛がる仕草にしか思えないけれど。

 

 

 

 

「ちゃんと言う。…俺の、愛しているひとだって。」

 

 

 

 

「クラウド!!!!」

「うわぁっ!」

 

勢いよく押し倒したけれど、思いのほか落ち葉の絨毯が弾力を生んで、ふかりとクラウドの体が小さく弾んだ。

こうして地面に近い位置だと、黄や赤、茶色の落ち葉の香ばしい匂いが鼻腔を擽る。

 

「ざ、ザックス…泣くかがっつくか、どっちかにしろよ!」

「無理。クラウド、可愛いしかっこいいんだもん。すっげえ、今幸せなんだもん。」

「もん、って気持ち悪いよ。」

「ひでえ!」

 

涙目で笑いながら、クラウドの半分はだけたままのシャツに手をかけた。

「あ!」

シャツの間からピンク色の乳首が見えて、それに喉を鳴らすと、

クラウドは慌ててその辺に堕ちていた頭巾を手また繰り寄せ、また体を隠してしまう。

 

「隠すなよ。クラウドのおっぱい見たい。」

「……ば、ばか!」

露骨なことを言うなと、その眼はザックスを責めるけれど、それはザックスの興奮をなおも増長させるだけだ。

 

「オマエの腹ん中、はやく俺でいっぱいにしたい。」

 

もう耐えきれないと、羞恥で真っ赤になったクラウドが首を横に振る。

その手が彼の顔を覆って、頭巾から手を離したとき、ザックスは勢いよくその赤い布を取り去った。

投げ捨てた赤い頭巾は、柔らかい音を立てて落ち葉の上に堕ちていったが、

瞬間「コン!」とキツネの鳴き声がしたからちょうど奴の上にかぶさったのだろう。

…まだそこに一匹残っていたのか。

 

彼のシャツの中に手を滑りこませて、絹のように指先で融けていくその美しい肌を撫で上げる。

一年ぶりの恋人の肌はひどく柔らかく、滑らかで、瑞瑞しい。

執拗なほどにその感触を指先で味わっていく。

と、同時に浅く、深く繰り返しキスをして、その口内の味と熱を堪能していく。

 

「やっぱり、ほっせえなあ…」

1年経って少し背は伸びたとはいえ、相変わらずその体は細く、酷く華奢だ。

とくに腰の辺りは余分な肉が少しもなく、危うさを感じるほど。

ミッドガルでは妙齢の女性がたくさんいて、胸や尻にボリュームのあるその体もまあ魅力的だとは思う。

逆に、クラウド以外の男の体に目がいくことなど皆無であったから、

きっと本来ザックスは、同性愛者ではないのだろう。

でも、クラウドは性別とか、この好みとか、趣味趣向とか、そういうことじゃない。

 

胸があろうとなかろうと、入れる穴があろうとなかろうと、関係ない。

ただクラウドであるというだけで、ザックスの心ははち切れそうなほど愛おしく思うし、

ついでに比喩でなく下半身もはち切れそうなほど興奮する。

 

 

「やだ…やめてザックス、」

「いや、じゃないだろ。」

「いや…ほんとに、やだ、やだってば!」

「…………なんで?」

 

いつもの照れ隠しだろうと少し強引に行為を進めようとすれば、クラウドは体をよじって抵抗を始めた。

先ほどまでこれでもかというほど口づけし合っていたのに、それすらももう許してはくれないのか、

ザックスが顔を近づけると小さな手の平で押し返してくる。

さすがにこれは、「嫌よ嫌よも好きなうち」などというザックスにとって都合のいいものではない。

クラウドは本気で嫌がっているのだ。

いったい、なぜ?

 

 

「キツネさんが…見てる。」

 

 

「え、」

「見られてるから、出来ない。…恥ずかしい。」

クラウドの恥らう視線の先をみやると、なるほど、赤い頭巾の下から顔を出した一匹のキツネが、

出歯亀のごとくこちらを見ている。

 

「いいんじゃね?」

「え?」

「見られながらって、なんか燃えるじゃん。見せつけてやろうぜ。」

しょせんキツネ相手、などと軽視してはいられない。

ザックスとてしょせんは一匹の狼、クラウドの隣にいて胸を張れるほどの世界一の男ではない。

でも、いつかは。いつか、クラウドに相応しい「世界一の男」になりたい。いや、なる。

 

「ザックス…や…!恥ずかしい、って、言ってるのに…っ」

「恥ずかしいってのは、やめる理由にはなんねえよ。」

だって、恥ずかしがるクラウドが見たいのだから。男はそれにこそ、興奮するのだから。

 

 

 

 

 


 

 

落ち葉の上で、思うがまま、繋がった。

 

両手で包んでしまえそうなほど細い腹をわし掴んで突き上げるのは、ザックスにとっては

「壊してしまいそう」だと罪悪感があると同時に、「壊してしまえる」という征服感もまた存在する。

優しく突いてやりたいのに、でも、いっそ奥の壁が破れるほどに押し上げてやりたいと思う。

一分一秒でも長く繋がっていたいのに、早くこの欲望を吐き出してしまいたいと思う。

愛を語りたいのに、キスがしたくてたまらない。腰も止まらない。

 

 

セックスとは、そんな幸せな葛藤ばかりだ。

 

そうとりとめないことを想って、また気まぐれにごりと熱塊をクラウドの奥へ押し付けてやった。

「いやぁん!」

その腹の中をごりごりといきり立ったものでかき混ぜ、硬い先端で柔い壁を抉ってやれば、

彼の薄い腹が少し膨らんだ気がした。

それにクラウドも気付いたのか、はふはふと呼吸を浅く繰り返しながらその細い腹に手を当てる。

 

「あ、ぁ…おなか、ふくらんじゃう…っ」

「うん?何がはいってるから膨らんでんの?」

「…ざっくす、が」

「うん、俺の、なに?なにがはいってる?」

 

クラウドは、信じられないと言う風にザックスを見上げた。

ザックスが彼に何を言わせようとしているのか、気付いたのだろう。

「クラ、言って。俺の何がはいってる?俺のなにでぐいぐいされたい?言ってくれないと…、」

一度抜けそうなぐらいずるりと引き抜いて、けれどすぐに23回勢いよく刺し貫いた。

「あん!あん!やぁん!」

「こんな風に、いいとこ突いてやれないよ?」

「あ、あ…いや…おねが、い…」

「んな可愛い顔すんなって。俺の方が耐えらんなくなるだろ。」

腰がずくりと情欲を孕んで重い。

出来るなら、思う存分腰を振って、これでもかというほどに突きまくってやりたい。

 

「なあ、クラ。言って?俺の、あれで突かれたいって…」

唇にキス。ついでに涙とか涎とかで濡れたクラウドの顔を、丁寧に舐めとっていく。

 

「ざっくす、の」

「うん、」 

「ざっくすの、おちんちんがいい……っ、ほかのひとじゃ、いや…おねがい、」

 

「この、ばか…!いくらなんでも、煽りすぎだっての!」

「あ?!いや!だめ!そんな、そんなの、はげし…」

じゅぽじゅぽと激しい水音を立てながら、クラウドの酷く感じるそこを思い切り突き上げてやる。

ザックスの先端がその肉壁を突くたびに、クラウドの未発達な小さな性器の先からは

ぴゅるぴゅると愛液が零れていく。突くたびに達してしまうなんて、どれだけ厭らしくて愛らしいことか。

 

 

 

「人間のペニスってさあ…何回出し挿れしたら、前の男の精子を掻き出せるか知ってる?」

 

 

 

これは、あまりに無神経な問いかもしれない。

最初にクラウドを傷つけてしまったように、また泣かせてしまうだろうか。

でも、クラウドの愛しい尻穴を自分の肉棒で犯しながら、どうしても考えてしまったのだ。

あと何回突きこめば、この子を自分だけのものにできるだろうか、と。

 

「あん!あ、はあん!」

「なあ、クラ。ここも、セフィロスのやつに突かれたの?」

柔い腸壁の中を突き進むと、数回出し挿れしたせいかわりと抵抗なく受け入れるそこを

軽く左右に揺さぶってやった。

するとあらゆる壁に刺激を感じるのか、クラウドはびくびくと体を反らせて感じ入る。

「…っ、うん、そこ…も」

快感に飲まれてか、正直にそう答えるクラウドに、なんて可愛いのだろうかと思うと同時に

やはり嫉妬心も拭えない。

 

「じゃあ、ここも?この奥も?」

さらにその奥…もう入らないだろうと思われたそこをさらに割り開いて、

凶器のような切っ先が突き進んでいく。

「ひぃっ!あ、あ、そ、こは…」

まさかそこまで挿れられてしまうとは思わなかったのか、クラウドは驚きと衝撃でじたばたと暴れた。

けれどその細い足はザックスに力強く担がれてしまっているから、大した抵抗にもならない。

「…一番奥のとこも?」

「そこは、ざっく、す、だけ…そんなとこ、だれも…!」

クラウドが涙を零しながらそう訴えてくるのに、どうしようもない満足感を得ていた。

「そっか」

「いやぁんっ!!!」

 

そんな奥深くまでは、誰にも貫かれていないと。

誰も踏み込めるわけがないそこを、太くて熱いザックスのペニスで容赦なく押し上げられたクラウドは、

首を必死で横にふった。もはや懇願といっていい。

涙が宝石のように散っていくのが、可愛そうだけれどもそれ以上に可愛くて、がんがん腰をぶつけていく。

「そこ、だめ!だめ!破れちゃ…っ!おなか、やぶれちゃうよ…ッ」

クラウドが涙ながらに訴えても、ザックスの肉棒は勢いよく挿出を繰り返し、止まることが出来ない。

…なぜなら。

 

100回、だって。」

 

「え、な、に…?あん!あん!あんっ!」

「人間のペニスってさ、100回こうやって出し挿れすると、前のを全部かき出せるんだって。

まだ、100回つっこんでねえだろ?」

「あん!あん!や、できな…」

100回もこんなに勢いよく貫けば、壊れてしまうだろうか。

クラウドだけじゃない、二人とも。気持ちが良すぎて、今にも壊れてしまいそうだった。

「クラウドの腹の中、全部俺の精液でぐちゃぐちゃにしてやる。そうすればオマエは、」

全部俺のものだ、と。これでもかと奥深くを貫いて、そのまま躊躇いなど無く思うまま射精した。

「ひああああああんん!!」

ビュービューと腹の奥深くで出され、その勢いのよい放流が奥の壁にびちゃびちゃと当たっているのが

クラウドもわかるのだろう。

最奥に熱い精子がかけられるたびに、クラウドの腰はぶるぶると震えていうことをきかないようだった。

 

「まだ、80回ぐらいじゃん?俺、いくらなんでも早すぎだな。クラのお腹がすっげえ気持ちいいからさ、」

「れきな、100回、なんて、むり…」

81、」

「いあっ」

82、」

「ひあああ!」

 

結局は、そのカウントなど意味もなさない。

100をようやく超えるかというとき、我慢できないと口づけすれば、まざりあいながら数字も消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

「…100回なんてレベルじゃねえ…いくらなんでもやりすぎだ。」

抱き合ったまま眠りに堕ちてしまったクラウドの顔は、もともと人形のように真白い色をしているけれど、

いまはさらに血の気がないように見える。

森の冬は早くやってくる、日が傾けば少し肌寒い。

風邪をひかせては大変だと、脱がせた服はきっちり着せて、ザックスのフードジャケットもかけてやった。

それでもやはり、血色のよくない唇の色が心配で。

赤い頭巾でくるむと、抱きしめたその体を必死でさすった。

 

「おい…オマエ、また噛みつくつもりじゃねえだろうな。」

赤い頭巾の下にずっと潜んでいたらしい件のキツネは、とてとてとこちらに警戒もなく近寄ってくると、

あろうことか眠っているクラウドに頬ずりした。

「あ、てめ!クラウドに気があるんだろ!そうだな?!言っておくけどなぁ、俺とクラウドは結婚するんだ!」

 

「…ザックス。キツネ相手に何言ってんの」

「クラ…!大丈夫か?おなか痛くない?いちおう掻き出したんだけど、洗ってないから俺心配で…」

「もう!なんでザックスって、いつもそんなに露骨なんだよ。ちょっとは雰囲気ってものを大事に――」

そう頬を膨らませたクラウドが、左手の違和感に気付いたようだ。

 

「なにこれ?」

クラウドの左手薬指。そこには小さな白い花で作った指輪が、ちょこんと嵌められている。

「ミッドガルに行ったら、ちゃんと指輪渡すから。今はそいつらにオマエのこと取られないように、

その薬指は俺が予約しとく。」

 

「そんなの、いらない。」

「泣くぞクラウド!」

いくらなんでも、思考回路が乙女すぎただろうか。

 

 

 

 

「新しい指輪なんていらない。…これが、いい。」

 

 

 

 

クラウドが、あまりに優しく笑うものだから。

…今なら「オマエを幸せにする」と不遜なことが言えるかもしれない。

けれどそう言えばクラウドは、「これ以上どうやって幸せになるつもりなの?」と

いつかのようにからかってくるに違いないのだ。

その言葉にまた大声で泣いてしまうだろうから、ただもう、言葉なく唇を重ねた。

 

健やかなる時も病める時も、ただ君を想う。

…そんな、誓いのキスをひとつ。

 

 

 

 

――可愛い、俺の赤ずきん。

 

ねえ、情けないけど。

君を世界一幸せにするって

そう約束できないんだ。ごめんね。

 

なぜって?

 

だって君と結婚できる僕が

世界一の幸せ者だから!

 

 

 

 

 

NOVEL top

C-brandMOCOCO (2013,07,03

そのキツネさんは、いずれタークスに入るんだぞ、と!っていう、

もう一人実は神羅の実験体が森にいたんだというまさかの裏設定がありました^q^

レノクラもいい。ザックラ大大大前提なのですが!

 

 

 

 


 

 

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