テルマエ○マエのザックラパロディ(とか言って、原作とはもはや関係ないものに…)
・クラウド…古代都市ローマ在住。若きテルマエ(共同浴場)建築士。尻が可愛い。
・ザックス…現代都市ミッドガル在住。(自称)みんなの正義の味方、ソルジャー2ND!
誰が言ったか。「全ての道は、ローマから始まる」。
誰が言ったか。「全ての道は、ミッドガルへ繋がる」。
いにしえと現代の大きな歴史の渦、
そのふたつの運命が、やがてひとつの
大きな円(縁)となったとき――
Story1.テルマエ建築士クラウド
「なぜこの設計が駄目なのですか!」
「ストライフ技師、君の考えるテルマエは古いのだよ。
ローマ人は、もっと新しいテルマエを求めているのだ。」
「目新しいものばかりが全てじゃない。
古き良き時代を大事にすることこそ、今のローマには必要なのです!」
「君は何もわかっていないようだな。紹介しよう、彼が新しい建築技師だ。」
「……私は、お払い箱ということですか。」
「まあ、キミにもっと斬新なアイディアがあれば別だが。それとも…どうだね。
私ともっと違う形で親しくなってみないかね?」
そう言って、男は鼻息を荒くしてクラウドの小さな尻をまさぐる。
「ふざけんな…!俺は男だ!!」
クラウド=ストライフは、若きテルマエ(共同浴場)建築技師である。
いや、建築技師であった――といった方が正しい。
なぜならたった今、建築事務所より解雇され、職を失ってしまったのだから。
「おうクラウド!な〜にしけたツラしてんだ。」
「…バレットか。たった今、職を失ってな。いっそ体でも売ろうかと思っていたところだ。」
「おいおい、インテリ階級のくせに何いってやがる。自棄になるなって!」
バレット=ウォーレスは腕のたつ彫刻家で、こう見えてなかなか繊細な技術を持つ男だ。
それこそ、デリカシーのないこの性格やガサツそうな見た目では、全く想像も出来ないほどに。
二人は古い付き合いで、知り合った当初は正反対の性格(見た目も正反対)故、
よくぶつかったものだが、今となっては遠慮のいらない良き友人になっている。
血の繋がりこそないけれど、二人はまるで年の離れた兄弟のようである。
熱血漢で体力勝負の兄と、冷静で聡明な弟…そんなところだろうか。
…といっても、2メートル近い大男であるバレットと、
女性のように華奢で麗しい容姿のクラウドでは、まるきり似ても似つかないのだけど。
「そういうときは、やっぱあれだろ!風呂にでもいって、すかっとしようぜ!」
「風呂(テルマエ)か…」
――ローマ人は、みな風呂を愛している。
暴君と恐れられたローマの皇帝セフィロス帝は、軍事力を強化して抑圧的な政治を行う一方で
各地にテルマエ建設事業を行い、民衆の支持を得ていた。まさに飴とムチである。
ローマのテルマエは、とにかく騒がしい。
運動場のスペースが設けられていて、そこで人は皆汗を流してから湯につかるのが常なのだ。
「いつきても煩い場所だ。全く風呂とは本来どうあるべきか…」
「おっ!奴隷発見。おーい俺も脱毛よろしく!」
バレッドが脱毛をしにいったところで、クラウドは一人湯の中にもぐる。
(湯の中にもぐらないと、静けさを得られないなんて…ローマの風呂は何かを見失っている。)
そっと目を開けると、湯の中に小さな光が見えた。
(…なんだ?あの光は、どこに繋がっている?)
それに興味をもち、その光がさす穴に顔を近づけると…
(うわっ!わああああああああああああ…!!!)
凄まじい流れにクラウドは足をとらわれ、その壁の向こう側へと吸い込まれていく。
その叫び声も、湯の中に消えてしまった――
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