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「赤ずきんを脱がさないで。」その後のお話。

前作はエロコメディでしたが、だいぶ雰囲気変わってシリアス?です。

ザックラ前提、セフィ→クラで無理やりな性的描写あり。18才以上の方の閲覧推奨

     

 

 

赤ずきんを脱がさないで。

番外編3

「赤ずきんの番犬」

 

 

 

「男に抱かれたことは?」

「……」

「俺の質問には、素直に答えた方がいい。」

「……あ、る。」

 

そう答える声も、衣服のボタンを外す指先も、震えてしまう。

男の氷のような冷たい表情、眼差し、これから強いられるだろう行為――全てが恐ろしい。

だけど何より恐いのは、そんなことじゃない。こんなに震えが止まらないのは、

 

「そうか。お前は、ボーイ≠ゥ。」

 

男は、クラウドを嘲り笑うように口元を歪めた。

男の言葉の意味が理解できず、黙していると、男は再度同じ言葉を口にする。

「質問には素直に答えること。そう言ったはずだが?」

「ボーイ、って…なに、なんですか。」

「体を売る少年のことだ。お前は、違うのか?」

「…違い、ます。俺は…」

体を売ったことなど、あるわけがない。

ザックス以外の誰かと、そんなこと出来るわけがない。

 

「その美しさを使って、さんざん稼いできたのだろう?今更何を怯える。」

男は、自分の方へ来いと手で合図をする。

その指の先にまるで見えない糸がついているかのように、クラウドは男の方へと踏み出した。

これは、何か邪悪な魔法だろうか。怖かった。男の持つ、『無言の強制力』が。

 

「そうだな。上手くできたら、金を払おう。そうすれば少しはやる気になるか?」

「そんなのいらない…っ、そんなの、いらないから、はやくザックスを、」

「そう思うなら、今すぐ俺を満足させろ。」

「でも…ザックスが、ザックスが…!」

 

ザックスは、ぴくりとも動かない。

撃たれた衝撃で気を失っているのか、それとも――

「お願い、今すぐザックスを助けて!俺は逃げたりしない、絶対に言うこと聞くから…!」

今すぐに。今すぐに何とかしなければ、本当に彼を失うかもしれない。

 

 

 

 

 

死ンデシマウカモシレナイ、

 

 

 

 

「――次にその名を呼べば、そいつを殺す。」

「え…?」

「俺の名はセフィロス≠セ。お前が口にしていいのは、この名前だけだ。」

「そ、んな…」

男――『セフィロス』が、黒のレザーボトムの前を緩める。

そうして取り出した男の象徴を、クラウドの小さな手に握らせた。

 

 

「奉仕しろ。」

 

 

セフィロスの言葉を理解出来ず、ただただ困惑していると、男が「舐めろ」と言う。

…ザックスに、そんなことを言われたことはない。

クラウドのものをザックスが触ったり、舐めたりすることはあれど(恥ずかしいから舐めるのは

やめてほしいのだけど、ザックスにお願いされると強く断れない)しかしクラウドが同じことを

彼にしようとすると「そんなことしなくていい」と言う。

「そんな可哀想なこと、オマエにさせられない」と困った顔で優しく笑うのだ。

 

だから、男のモノを口に入れたことなどない。

セフィロスの前で膝をつき、目の前にある男のそれを凝視したまま――

いったいどうすればいいのか、困惑した思考を廻らす。

するとセフィロスはクラウドの頭を両手でわしづかみ、強引にその小さな口内へと自身を突き入れた。

「ぐ…!うっ、う…」

そうしてそのまま、少しの労わりもなくそれの挿出が繰り返される。

独特の青臭い苦みと、喉の奥に突き立てられる違和感に、吐き気がこみ上げる。

 

(気持ち悪い、苦しい。……………こわい、)

 

「もっと、美味そうにしゃぶれないのか?」

「…う、えっ、う…!」

この男の言う通りにしなくてはいけないのに、身体がどうあっても拒絶してしまう。

きっとこれが、愛する人のそれだったなら、こんな吐き気など催さないのだろう。

もっとも…クラウドの愛する人は、こんな乱暴なことをするわけがないけれど。

 

「舌を使え、裏まで丁寧に舐めろ。」

セフィロスに髪を捕まれ、強引に上を向かせられる。

「…下を向くな。俺の顔を見ながら、銜えるんだ。」

セフィロスの冷たい視線と目が合ったまま、その要求通り――グロテスクな性器に舌を這わせた。

舌先が、男の形をリアルに認識して、血管の形状までも覚えていく。

男は物足りないのか、クラウドの頭をつかんで強引に前後させる。

「歯をたてるんじゃない。」

「ふ…う!ん!んんっ!」

息ができない――酸素を求めて男のそれを離そうとするけれど、セフィロスは許してはくれない。

無慈悲にも、何度も何度も口内を犯される。

 

 

 

 


 

「…まるきり、下手だな。まるで子供だ。」

「げほっ!げほっ、」

当たり前だ、上手くできるわけがない。一度だって口淫の経験などないのだから。

「どうする。このままだと、オマエのペットは…」

「やだ!なんでもする!するから…お願い、」

『なんでも』という言葉に、男はふっと笑みを零した。

「何でもするというなら、そうだな――自分で、慰めてみろ。」

まるで、悪魔か死神のように笑う。冷たく、美しく笑う。

 

 

「俺の名を呼びながら、達しろ。自分の手で。」

 

 

意味がわからない。

男をイかせるのではなく、自分のそれを弄れと。

――そう、要求されているのか。

 

クラウドは、これまで一度も自身を慰めたことがない。

年頃の男であれば、性欲処理のために自慰に及ぶということは、知識としては知っている。

だけどクラウド自身はその必要性を感じたことがほとんどなく、自慰行為そのものに

インモラルなイメージさえ抱いていた。

そんなことをすれば、ザックスに嫌われてしまう――そう思った。

これまで必要性を感じなかったのは、クラウドがまだ性に未発達だったからか、

それともザックスに抱かれることで、そのわずかな性欲も解消されていたからか。

 

だけど、今…それが「出来ない」なんて言えない。

この男の要求を突っぱねたら最後、取り返しのつかないことになる。

一分一秒だって早く、セフィロスを満足≠ウせ、ザックスを治してもらわなければ。

少しの猶予も、ない。

クラウドが自身のボトムに手をかけると、それらを緩めるだけでなく脱ぎ捨てるようにと指示される。

恥ずかしがっている場合ではない。

ボトムを下着と一緒に脱ぎ捨て、それの上にしゃがみ込んだ。

 

 

「ずいぶん可愛いモノを持っている。」

 

 

男の舐めるような視線を感じながら、その未発達な性器に手を伸ばす――

どう弄ればいいのか、クラウドにはわからない。

ただ、「自分の手で達しろ」と言われているのだから、その通りにしなくてはいけない。

手に力を籠めて小さなそれを扱いてみるものの、

擦れるたびに痛みがあるこそすれ少しも気持ちよくない。

萎えたままのそれに、男は苛立ちを見せた。

 

「どうした、はやく乱れろ。」

「でも…わかんな…」

「オマエの大好きなトモダチ=Aそいつにも見せてやれ。」

「そんな…」

ザックスが、今、苦しんでいるときに。この姿を彼に見せしめろというのか。

 

「出来ないなら、手伝ってやろうか。」

 

男がクラウドの背後から捕らえるように抱きすくめ、細い両の脚を無理やり開脚させた。

「こんなの、や…や、だ、」

目の前で倒れこむ狼―――

ザックスに向かって、足を大きく開き、そうしてその中心を男に握られている。

「やだ…ザックスに、見られたくない…やだよ…!」

こんなのは、嫌だ。嫌で嫌で嫌で、たまらない。

そうだというのに、男の慣れた手つきでそこを擦られるたびに、その中心は熱が帯びていく。

嫌なのに。体が、勝手に。

 

 

 

「いく時は、俺の名を呼べ。」

 

 

 

セフィロスの命令は絶対――その要求通り、男の名を口にしようとしたその時、

「…ク…ラ……」

消えてしまいそうなほど、小さな声で。でも確かに、そう聞こえた。

「クラウド…?」

間違いなんかじゃない。

ザックスが、「話して」いる。荒い呼吸が聞こえる。

――意識が戻っているのだ。

気付けば、その姿は狼ではない。人間≠フ姿で、地に伏せていた。

 

 

「クラ……へ、いき、か…?」

 

 

虚ろなザックスの視線――その眼で何とかクラウドのことを見つけようと、目を凝らす。

そうしてその瞳が、こちらの視線と交わって、

「……な、に…やって…、」

(いやだ、ザックス…)

ザックスが動いて、言葉を話して、それを望んでいたはずなのに。

「なにやってんだよ!!!」

(見ないで―――)

 

 

「狼が、人間に?まさか……」

少なからずハンターも驚いているのか、そう呟いた。

「そいつに、さ…る、な…!」

言葉にならないザックスの声――まるで、命を削って声を出しているかのような。

「いい目をしている。俺に食ってかかってきた、オマエと同じ目だな?クラウド。」

「ひ…っ?!やめ、」

止まっていた男の手が動きだし、クラウドのそれを上下に勢いよく扱く。

「見せてやれ。お前の大事なザックス≠ノな。」

 

 

 

ザックスの目の前で、足を広げたまま――

 

 

 

「いや…見ないで…お願い、見な…で…!」

「やめろ…!クラ、ウドから、はなれ…」

「――ザックス。勘違いするな。この子は、自ら俺に体を委ねている。」

「そんな、わけ、あるか…っ!!」

ザックスはなんとか体を動かそうとするけれど、指一本動かすことは叶わず、震えていた。

「この子は、俺のものだ。…そうだな?クラウド。」

「…やぁ…っ!もう、い、や…!」

 

 

「いく時はどうするんだ?」

ザックスの顔を見ながら、セフィロス≠フ名を呼んで達する――

「いっちゃ…う、セ…セフィロス…ッ!」

それが、この男を満足させること、なのだ。

 

 

地面の上に、白い液体が飛んだ。

だらしなく足を広げたまま、力なく男の腹に倒れこむ。

「クラウド…ちくしょう…っ!」

それは、男への罵倒なのか、クラウドへの侮蔑なのか。

それが今のクラウドには、判断できなかった。

 

 

 

 


 

 

「いい子だ、クラウド。よく出来たな。」

 

 

セフィロスの満足そうな声―――これで、ザックスは助かる。

どうしようもない悲しみに狂いそうだったけれど、

それでも彼の命が救われるというならば…それでいいと思った。

例えばこの後で彼が、自分を責めたてたとしても、汚いやつだと罵られたとしても。

…それが彼の命の代償ならば、その罰を受け入れることは容易い。

 

「お願い、ザックスを、助けて――!」

「駄目だ。俺はまだ、満足していない。」

そう言って、クラウドの後頭部をつかみ、地に押し付ける。

そうして、後ろから覆いかぶさるように抑え込まれた。これは、まさか…

 

「う、嘘……ひッ?!いた…痛い!」

突然の痛みに、クラウドは思わず叫んだ。

男の二本の指を尻の中心に突きこまれ、乱暴に抜き差しされる。

「この男に、ここを開発されたのか?」

「…う、っ…、う…」

「やめろ…そいつを、泣かすな…!」

痛かった。体が、心が。

 

 

 

「やめろ…やめてくれ……!……………頼むから………」

ザックスの叫びが、懇願のそれに変わっていく。それが、どうしようもなく痛かった。

 

 

 

「……ザックス、」

そんな顔をさせてしまったこと、どうしたら許されるのだろう。

「ごめん、ね。」

否――絶対に、許されるわけがない。

 

「その名を呼べば、そいつの命はないと言ったはずだ。二度目はない。」

 

尻に、男の凶器が宛がわれる。ザックスの手が、こちらに伸びた。

「ク、ラ…」

思わず、その手に向かってクラウドも手を差し出す。

二人の手が、あと数センチで触れるというそのとき――

 

 

 

「や――――…ッ!!」

 

 

 

男の凶器が、割り入ってくる。

ザックスを撃ち、苦しめている男のそれが、他でもないザックスの目の前で。

みちみちと嫌な音を立てながら、少しの労わりもなく突き入ってくる。

残酷にも、それは腹の奥深くまで。

 

―――そこを知っているのは、ザックスだけだったのに。

 

「いや、いた、いたい、よ…」

身を裂かれるあまりの激痛に、気が遠くなりそうだった。

男と繋がることが、こんなに痛みを伴うものだなんて予想もしていなかった。

(ザッ、クス…)

今までザックスが、いかに自分を大事に扱ってくれていたかがわかる。

どんなに激しく抱かれたときでも、痛みを感じることなど一度もなかったのだ。

 

何かが足を伝う感触、それに鉄の臭い…

「切れたか。ずいぶん狭い穴だな。」

血に濡れたそこを気遣うこともなく。

むしろそれに興奮しているのか、男は叩きつけるかのように腰を動かした。

 

――嫌だ、こんなのは。

 

男に中を汚されることが、こんなにも耐え難いことだなんて。

口でしろと強要されるのも、前を弄られるのも…悍ましいことだけれど、まだ正気を保っていられた。

だけど今、身体の奥を貫かれることで――

全てをこの男に乗っ取られるような。全てを、奪われるような。

体の奥に残されたザックスの跡を、男に消されてしまうような…そんな恐怖に怯えた。

 

「そいつが、お前に溺れるのもわかる。女では味わえないな、この締め付けは…」

息ひとつ乱さなかったセフィロスが、たまらないと言うように、一度大きく息を吐いた。

そうして、もはやクラウドを嬲るかのように、その小さな尻に何度も打ち付ける。

 

「ふ、…う…っ、んっ」

――死んでしまいたかった。

いっそ今、舌を噛んで死んでしまえば、この男は自分を解放してくれるだろうか。

もう、耐えきれない。これ以上、ザックスにこの汚い体を晒したくない。

 

すがるように、無意識に何かを握りしめると。その何かが握り返してきた。

…ザックスの、大きな手だ。

 

「ザ…、」

その名を呼べば、ザックスは殺される。

セフィロスの言葉を思い出して、それ以上は声に出せなかった。

「クラウド…ごめん、ごめん…な、」

どうして、ザックスが謝罪しなければいけないのか。

謝るべきは、彼を裏切っている自分なのに。

「大丈夫、い、ま、たすける…」

ぜえぜえと呼吸を繰り返すそれは、もはや正常な状態ではない。

 

 

 

「おれは、オマエの、番犬、なんだから…」

 

 

 

助けてくれなくていい。

そうじゃない、そんなのは要らないから、ただ「彼に」助かってほしいのだ。

だから、お願いだから――もう無理をしないでほしい。

ただ目を瞑り、この醜い行為が終わるのを待っていてくれれば。

そうすれば、この人は助かるのだ。

 

 

助かる、のに。

 

 

少しずつ、少しずつ…ザックスは、地を這って近付いてくる。

とてもじゃないが動ける状態ではない。明らかに、彼は限界を逸している。

(やめて、やめて!ザックス!)

焦れて、恐くて、うまく言葉にできない。

だから、ただザックスの握られた手を、思い切り振り払った。

それで全ては伝わるだろう。

 

助けてくれることなど、少しも望んでいないと。

こんな行為、痛くもかゆくもない。……怖くなんて、ないのだと。

 

(俺のことなんか、見棄てて―――)

 

 

 

 


 

狂ったように腰を打ち付けていた男が、急に動きを止めた。

「…何の真似だ。」

ずるりと男の凶器がクラウドの蕾から抜き出て、その拍子に力なく草の上に倒れこむ。

そのクラウドの体を、優しい力で抱き起すのは――

 

「こいつには、もう指一本、触れさせない。」

 

クラウドの体を、ザックスは抱き締める。包むように、守るように。

「ザックス…!俺はいいから…どいて、どいてよ!」

「死にぞこないが。そんなに死に急ぎたいのか。」

ゴツ、と音がして、ザックスの背に何かが押し当てられる。

 

―――銀色の、猟銃。

 

「ザックス!お願い、どいて!どけよ…!どけって、言ってるだろ!」

ヒステリックな声で、そう命令する。

クラウドの命令は絶対――いつもであれば、彼はこの言葉に従うはずなのだ。

ザックスは、腕の中のクラウドににこりと笑いかける。

「大好きなご主人さまの命令でも、それはきけないなぁ。ほら…俺、馬鹿犬だし!」

ザックスの体は、あまりに冷たい。どれだけ出血しているのだろう。

「ザックス、いっしょうの、おねがい…だから…」

 

 

 

「大丈夫!死ぬまでオマエのこと、離さねえよ。」

 

 

 

まるで、いつもの軽口のように言ってみせて。

クラウドの体が壊れてしまいそうなぐらい、強く抱き締められた。

「冗談、は、やめ…」

それは、冗談ではない。わかっている。

 

彼の言葉は、少しも大袈裟ではないのだということ。

ザックスは、クラウドを『死ぬまで』、絶対に離してくれない。

 

 

 

 

言葉通り―――――こと切れる、その瞬間まで。

 

 

 

 

「…それなら、死ねばいい。その子を守って、な。」

死神の長い指が、引き金を引いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

――可愛い、僕の赤ずきん。

どうか最期に見る顔は、笑った顔でありますように。

 

死に逝く 最期の一秒まで、

キミを抱いて離さない。

 

僕はキミだけの、番犬。

 

 

 

 

 

 

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C-brandMOCOCO (201219

苦情、謹んで承ります…

本当に本当に本当に、すみません!

 

 

 

 


 

 

 

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